キモノでこんにちは

アンティーク着物で過ごす日々。お出掛けしたり、小物を作ったり。

呉服屋さんは怖いところ

本日はご訪問ありがとうございます。

本日は、先日はじめてとある呉服屋さんの催事というものに参加した時の体験談をお話ししたいと思います。

 

呉服屋さんとの繋がり

呉服屋さんとは着付け教室での繋がりがありました。

最初はそれだけにするつもりだったのですが担当者の方から熱心に催事の話をされ、こちらの予定を細かく聞かれ、空いた時間に予約を入れられてしまいました。

無視してばっくれればよかったのでしょうがなんとなく真面目な面が出てしまい予約したからには行かなきゃ、、という気持ちになっていました。

 

お菓子とお茶で油断させる

行ってみると店先にいくつか椅子と机が用意してあり、阿闍梨餅とお茶をいただきました。

今から思い返せばお茶だけもらって帰ればよかったものを(そういう方もいらっしゃいました)人と話し始めると止まらなくなってしまう癖が出てしまい、お菓子とお茶で油断したところをゆるゆると裏の方に連れて行かれました。

 

裏に入ったら抜け出せない

裏にはセール特価の反物がずらり。

大勢の人が試着をなさっていました。

そのときは西陣お召しの職人の方がいらしゃっており、お召しについてたくさん教えていただきました。

その流れで嫌とも言えず鏡の前へ。

最初は説明してくださったお召しの反物を試着します。

「あら、綺麗〜」だなんて油断していると呉服店の方がそれに合わせた帯を見繕ってきます。

あれよあれよという間に羽織、羽織紐までフル装備が出来上がっていました。

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フル装備状態

「お召し」というのはフォーマルでもカジュアルでも使えるお着物のことをいいます。

帯は博多と名古屋のいいとこ取りをした帯でとてもいい手触り。

羽織はとても薄く、帯の柄も見えるほどで、安い羽織ではそこまで薄くはできないそう。

長着は光沢感があり鱗柄のような柄のグラデーションで、白い着物も似合うんだなあと気づきを与えてくれました。

 

驚異のお値段、終わらないローン地獄

これ全部でいくらだと思いますか?最初は40万くらいかしらと考えていたわたしはとことん甘ちゃんでした。

これ全てでセール特価で170万円です。170万。

170万は確実に無理なので、着物と羽織のみでいくらになるか計算していただいたところ80万。

36回払い(3年払い)でボーナスに7万払うと計算して月々の支払いは1万ちょっと。

あれ…なんだか払える気がした…

たくさんの人とお話をして周りの人が褒めちぎってくれて、なんだか少し暑い場所で私の頭はぼーっとしてしまっていました。

 

もしかしたら買っちゃっていたかもしれない

ここで思い出したのは医者の話でした。そうだ、私はうつ病だった。

うつ病の人は大きな決断をしてはいけない。あとから必ず後悔する」と医者に言われたのを思い出しました。

私はとりあえず親に電話するといって携帯で連絡を取りました。すると親からは罵詈雑言をいわれ、今から迎えに行くから買わずに待ってろ、と言われました。

私はその時は”月1万なら着物に使っているし、買っちゃってもいいんじゃないか”という考えに傾いていて割と買う気満々でした。

しかし親が到着し、すごい剣幕で店員に話しかけたようで、慌てて店員さんが私を呼びにきました。私は急いで反物を脱いであとで連絡します、と担当者さんとお話しして店を出ました。

親には「働いてもいないのにそんな契約をするんじゃない」ときつく怒られました。

今となっては私もそう思います。

しかし買う方に傾いていた私は生返事をしながらとりあえず、着物コミュニティの先輩方にも意見を伺おうと、LINEのオープンチャットとTwitterで状況を説明してどうしたらいいかご意見を伺ったところ、ほぼ全員の方が「絶対にやめなさい」と止めてくださいました。

先輩方も昔たくさん呉服店で痛い目を見て着た方々が多く、「80万あったら何着着物が買えると思うの」と止めてくださいました。

そこでようやく私も頭が冷めてきて、ああ、おかしい状況だったんだな。と把握できるようになりました。

 

今となっては

確かに着物や帯、羽織どれを取っても良いもので、私に財源があるならば買ってもよかったものです。

しかし私はいま休職中であり、稼いでもおらず、稼いでいたとしても自分の月収の何倍もするような買い物を3年かけてするのは”趣味としての着物”の範疇を超えてしまっていると今となっては考えられるようになっています。

 

もし誂えるのであれば木綿の着物が欲しいな、などと考えてはいますが、それも自分で稼ぎ出してから、自分で払える分だけ。

今はそれで我慢しよう、そう思った体験でした。

 

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